(3)宗教と経済倫理の関係

宗教と経済倫理の関係を考察する前に、宗教とは何かという定義を与えておこう。ここで検討の対象とする宗教の中には、仏教(特に浄土真宗)のほかに儒教も含まれるが、儒教についてはこれを宗教と見なさない考え方も一方にあるため、儒教を宗教と考える根拠をまず示しておくことが適切と思われるからである。
小論における宗教は、現実世界を超えた究極的な超越的存在・聖なるものへの信仰とそれに伴う行為と考えられている。こうした定義を前提にすれば、儒教を宗教と見なす根拠は十分にある。陳舜臣は『儒教三千年』(注1)の中であらまし次のように述べている。

儒教は、霊魂の不滅を信じていた人たちの生き方が体系化されたものであり、宋の時代にはそれは最高度に形而上学化され、字宙の根源は「理」とされた。その「理」は超越的な存在、絶対的なものとして位置付けられた。そしてなお、原始儒教に受け継がれた霊魂の不滅を基にした招魂の儀式(祭杷)は存続されたのであった。我が国には、そのような祭把を伴うことなく、学問や教養として儒教は伝来した。長い間それは世俗的な倫理体系と-認識されてきたのであった(実は、儒教流の祭杷〈先祖供養〉は平安仏教である真言宗や天台宗の中の重要な儀式として取り入れられていくのであり、中国では一体であった倫理体系と祭把が日本に移入されると、儒教と仏教に枝分かれして命を得ることになるのである〈注2〉)

儒教における霊魂の不滅への信仰とそれに基づく祭杷およびその超越的な宇宙観は、宗教と呼ぶにふさわしい内容を持っている、と指摘することができる。

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