『日本型「企業の社会貢献」』の出版に当って

第一章　企業の社会貢献とは何か
一　企業の社会貢献の定義
二　理念と哲学
（１）肯定論と否定論
〈フリードマンの否定論〉
〈ドラッカーの肯定論〉
（２）社会貢献の経済合理性
（３）企業の社会性と文化性
三　企業の社会貢献活動の方法と形態
（１）方法
ドネーション（寄付）
プロモーション
セコンドメン卜
職員のボランティア活動の支援
（２）社会貢献を推進する組織形態
〈企業財団〉
〈損保ジャパンの財団活動〉
企業本体による推進
〈トヨタ自動車の社会貢献活動〉
四　企業の社会貢献活動の規模と社会的役割
（１）民間非営利活動への企業寄付の貢献度
（２）民間非営利活動の収入の構成比
（３）企業寄付と個人寄付の大きさ

第二章　企業の社会貢献の歴史
一　日本企業の社会貢献活動のルーツを求めて――近世の商人道
（１）利益をあげることと社会貢献との関係――日米の違い
（２）経済倫理と陰徳
（３）宗教と経済倫理の関係
（４）宗教（浄土真宗）における信仰と行の関係
（５）石門心学と経済倫理の関係
〈心学の成立とその要素〉
〈学問の究極〉
〈心学と世俗倫理――正直と倹約〉
〈心学と社会貢献〉
〈脇坂義堂と中井源左衛門良祐の社会貢献活動〉
〈心学と国体思想〉
ニ　明治時代から敗戦まで
（１）勃興する企業家のタイプとその出自
（２）渋沢栄一に見る国家観、社会観、社会貢献観
（３）明治時代における陰徳――我が国近代の企業の社会貢献
（４）社会事業としての社会貢献が開花しなかった理由
三　戦後から現在まで
（１）社会的責任論の浮上
（２）企業の社会的責任――行動規範の論理体系
市民による「企業活動全般についての認識と評価」について
企業活動を律する手段について
企業行動規範の体系
新しい社会運動と企業の社会貢献
生き続ける陰徳

第三章　企業の社会貢献の課題と展望
一　ポスト工業化社会のインパクト
ニ　「日本的経済システム」の機能不全
三　グローパリゼーションと企業の社会的責任
（１）グローパリゼーションと社会的公正
（２）社会的公正を実現するための国際的仕組み
（３）ISO規格と企業の社会的責任
（４）ISO規格と標準化の問題点
（５）社会的責任と社会貢献

あとがき
補足資料