(1)民間非営利活動への企業寄付の貢献度

この問題にアプローチする方法は二つある。ミクロのアプローチとマクロのアプローチである。ミクロのアプローチとは、ある会社がある分野あるいはある団体に対して行っている社会貢献活動がどのような効果をもた3りしたかを検証するものである。このためには全ての企業の個別具体的なプログラムや寄付の社会への影響を検証しなければならない。気の遠くなるような仕事であり、細部はわかってもかえって全体が見えなくなる懸念がある。
そこで、ここではマクロのアプローチを考えてみたい。
マクロのアプローチとは、社会的課題解決のために民間非営利活動が行った活動に営利企業の資源がどれほど寄与したかを調べることである。もちろん、この方法は、投下された資源がどれほどの結果をもたらしたかを明らかにするものではない。それよりもはるかに漠然とした、社会貢献という活動の経済的規模の大きさの中で企業が担っている割合を知るというものである。しかし、それは企業の社会貢献の社会における大きさを定量的に知る第一歩になる。

企業の社会貢献の民間非営利活動に占めるボリュームは次の算式で計算される。

ある年度の企業の社会貢献活動支出の合計/同年度の民間非営利活動の支出(または収入)

今のところ、我が国の全企業の社会貢献活動支出を捕捉したデータはない。企業の社会貢献活動の実績を正しく把握するためには、
ドネーション(企業本体と企業財団によるもの)
プロモーション
セコンドメント
ボランティア活動支援
の四種類の活動に関するデータが必要だが、国税庁の税務統計は、その中のドネ!シヨンの企業本体の実績を示してくれるだけである。その数字も、企業の寄付の実際を全て捉えているかどうかは確かではなく、また政治献金がどの程度の割合を占めるかは全くわからない(ナンシー・ロンドンは『日本企業のフイランソロピー』著書の中で一般寄付のほとんどは政治献金ではないか、と推測している)。企業財団の寄付については、財団法人助成財団センターの調査結果がある。一方、上記の計算式の分母に当る民間非営利活動の支出については、内閣府「民間非営利活動団体
に関する経済分析調査」(一九九七年実施〈注1〉)がデlタを提供してくれる(民間非営利団体の中には、市民活動団体、公益法人のほか町内会と自治会、共益団体の一部が含まれる。なお、一般の医療法人は除かれている)。この調査は一九九五年についての数字を推計している。
そこで、平灰を合わせるために、分子および分母ともに九五年のデlタを用いて数式に当てはめると次の通りである。なお分母数字は産出額(付加価値+中間投入の合計)。

4,530億円(企業寄付)+457億円(助成財団からの助成<*>)/203,710億円=0.02448
(*助成財団の助成額は九四年数字)

つまり企業寄付は民間非営利活動の産出額のほぼ二・五%に相当する規模であると推計される。この割合が大きいか小さいかは、比較すべき別の尺度に照らしてみないと何とも言えない。
寄付はその程度としても、プロモーションの支出を推定することはできないのだろうか。そのため、日本経団連の実績数字を参考にする。過去五年程度のトレンドで見ると、寄付に対するプロモーションの割合はほぼ半分と考えていい。その数字(二二五O億円)を上記の算式の分子に加えると、寄付およびプロモーションの民間非営利活動に占める割合は、三・六%になる。これにセコンドメン卜の費用と職員のボランティア活動の換算数値が加わることになれば、おそらくその割合は五~七%くらいになるのではないかと推測される。

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